意識不明の姉の預金の引き出しを銀行に拒否された事案

依頼者

60代 女性

相談前

依頼者のお姉様が脳梗塞で倒れて、意識不明の状態になりました。
お姉さまのご主人は先に亡くなっており、お子様はいませんでした。
お姉様には相応の銀行預金があり、依頼者は、お姉様の入院費用などをまかなうため、お姉様の預金通帳と印鑑を銀行に持っていって、銀行から預金を引き出そうとしました。
しかし、依頼者が銀行に事情を説明すると、銀行は、本人ではないことを理由に、預金の引き出しを拒否しました。
依頼者はやむを得ずお姉さまの入院費を立て替えることになり、その額が百万円を越えてしまいました。

相談後

相談を受けた後、家庭裁判所に、依頼者の方をお姉さまの成年後見人とするための申し立てを行い、認められました。
その後、依頼者は、裁判所の監督のもとに、お姉様の預金の管理を行い、引き出した預金を入院費などに充てることができました。
また、立替金も、裁判所の了解を得た上で、回収することができました。

弁護士からのコメント

銀行は、普通預金であれば、何も言わずに通帳と印鑑を持っていけば、本人確認をいちいちしなくても預金の引き出しに応じるのが通常です。
しかし、この事案では、依頼者が正直に銀行員に事情を告げてしまったために、預金の引き出しを拒否されてしまいました。
こうなると、面倒ですが、家庭裁判所に申し立てをしてお姉さまの後見人になるしか、お姉さまの預金を引き出す方法はありません。
後見の申し立ては、素人には簡単なものではありませんので、弁護士に依頼した方が、スムーズにできるかと思います。